ムシクイアナ

飼育しているタランチュラ、ヒョウモントカゲモドキ、ボールパイソン、キングスネークなどの飼育記録。またフィールディングの記事も書きます。

【爬虫類の餌】 自家繁殖可能!コオロギの飼育・繁殖方法!床材や温度、産卵・餌について~

コオロギ 飼育

コオロギはペットとして飼育されている爬虫類・哺乳類にとって定番の餌です。乾燥コオロギも販売されていますが我が家では飼育している生きたコオロギをそのまま与えています。初めのころはペットショップに週に1度通って少しずつ買っていたのですが、飼育数が増えるにつれて餌代が結構かかることに気が付きました。また欲しいサイズが売り切れだったりすることもあったので自分で餌を供給したほうがよいのではないかとも考えていました。そんなこんなでコオロギを飼育して繁殖させることなった訳です。ではコオロギの飼育方法を書いていきます。

 

コオロギの飼育に必要な道具

①新品の通気性がいいプラケース大または衣装ケース

基本的に脱走されなくて通気が良ければ問題ありません。可能であればコオロギが過密にならないように底面積が広いものが望ましいです。基本的に水入れ以外はカラッカラに乾燥させた方が飼育者にメリットがあるので風通しのいいものをお勧めします。

 

コオロギはツルツルした垂直の壁を登ることができないのでプラスチック製の容器を使います。衣装ケースを改造した飼育容器の作り方はこちらの記事で紹介しています。

コオロギなどの餌昆虫の長期間ストックや繁殖に使える飼育ケースの自作方法 - ムシクイアナ

 

②エサ皿

表面がザラザラしているものがいいですね。彼らはツルツルだと登ることができません。私はタッパーにヤスリで傷をつけたものを使っていますが、素焼き鉢などもお勧めです。餌はフスマや野菜のくず、コオロギの専用飼料を与えている方が多いと思います。私が与えている餌については↓の記事で紹介しています。

栄養価を考えて、コオロギの餌を自作!作り方とレシピ - ムシクイアナ

 

③水入れ

私はコオロギ用の水入れとして自作した自動給水器を使っています。作り方はこの記事が長くなってしまって説明しにくいので、こちらの記事で詳しく説明しています。水入れを入れない場合は市販の昆虫ゼリーを切らさずに与えてください。 

低予算で自作可能!コオロギやデュビアなどで使える餌昆虫用自動給水器 - ムシクイアナ

 

④コオロギの足場・隠れ家

少数を消費するためだけにキープしているのでしたら、特に必要はないかもしれませんが、コオロギの大量繁殖を狙って莫大な数を飼育するなら必須といってもよいでしょう。私は紙製の卵パックを入れることでケース内の表面積を増やしてより多くの個体を管理できるようにしています。凹凸があるので影ができ、コオロギの隠れ家としても利用できます。

。プラスチック製の卵ケースだとコオロギが上ることができないのでお勧めできません。餌として消費するときは、卵パックをひっくり返したら大抵くっ付いているのでそこを狙って捕まえることができます。その点でも隠れ家を入れると便利です。

 

⑤コオロギの産卵床

コオロギの雌に卵を産んでもらう場所です。小さめのタッパーかプリンカップにピートモスと赤玉土をブレンドしたものを使っています。中には用土を使用せずに濡れティッシュを厚めにしたものを使う人もいます。私はティッシュの管理が苦手だったので用土に産卵をさせています。用土を使うときは農薬が使用されていないか確認する必要があります。

コオロギが卵を食べたり、産卵床の用土をばら撒くことを防ぐために土の表面に底蜂ネットを敷いています。雌は産卵管を隙間からさすことができるので問題なく産卵が可能です。

 

⑥床材

新聞紙やヤシガラがコオロギの床材として有名だと思います。色々と試したので簡単に感想を書いておきます。

 

新聞紙:水分吸いすぎ、コオロギが中に入り込み取り出し時に手間

ヤシガラ:臭わないがコオロギを取り出すのと掃除が面倒

昆虫マット:臭いが出る、ダニとコバエが発生

赤玉土:ダニが湧く、

何も敷かない:困ったことがない。

 

何か敷いた場合、掃除のときに床材も処分しないといけなくて面倒です。また、床材の中で死んでしまって放置された場合ダニ・臭いの発生源になってしまいます。

そういったことから私は床材はしかない方がいいと思っています。

 

コオロギの飼育・繁殖

①コオロギの成虫を入れる・産卵

必要な道具が揃ったら飼育開始です。私はこんな感じで設置しています。

コオロギは飼育温度が25-30℃位であれば活発に行動してくれます。湿度は乾燥していた方が臭いが抑えられます。湿度温度・水キレに注意していればコオロギの繁殖は簡単です。

 

コオロギの成虫を入手する必要がありますが、はじめは少ない数・多すぎる数から始めるより50匹位からスタートした方がコツをつかむにはよいかと思います。雄の数より雌の数が多い方が好ましいです。成虫を購入してきたらセットした容器にまとめて入れます。雌雄揃うと勝手に交尾して産卵まで行ってくれます。

一つの産卵床になるべく多く産卵してもらうために、産卵床は少なくとも3日放置します。産卵床の土が乾燥してくると色が変わってくるので、様子を見つつ適宜霧吹きを行います。透明に近い色の容器を使っていれば側面に産卵されたコオロギの卵を観察することができます。十分に産卵させたと感じたら容器を取り出します。

 

②コオロギの孵化

取り出した産卵床は孵化するまで別の容器に隔離します。密閉してもよいのですが蒸れてしまって水滴ができると孵化したコオロギが溺れ死んでしまって悪臭の原因になるので、私は多少通気がある容器を使っています。

コオロギの卵は温度にもよりますが、管理温度が28℃位だと10日-14日間もあれば孵化してきます。冬場は長くなりがちなのでじっくり待つしかありません。

 

管理していると希に産卵床にカビが生えてしまうことがありますが、問題なく孵化してくるので無視していても大丈夫です。産卵床は何度も使用していますが、臭いが出てきたら捨てています。孵化が始まると産卵床のケースから飛び跳ねて容器の中にたまるので、別の容器に移し替えます。

 

③幼虫の飼育

コオロギ 卵 孵化



孵化したばかりのコオロギはピンヘッドと呼ばれたりします。ピンヘッドのコオロギはあまりにも体が小さいため、水の供給を数日怠っただけで簡単に死んでしまいます。また水滴に捕まっただけで溺れ死んでしまうくらい軟弱です。

 

そういうわけで、成虫に産卵してもらうときの飼育方法とケースのセッティングが異なります。入れるのは水分供給用の濡れティッシュと餌のみです。小さいので嵩張りませんし、無駄に表面積を増やしても水場にたどり着けなくて死ぬ個体もいますので隠れ家となるものは入れる必要はないと判断しています。

コオロギ 幼虫 水

孵化したてのコオロギは水滴に触れただけで溺死するので、表面張力を抑えて水分をあたえるためティッシュに水をしみこませてから与えています。水分は蒸発していきますので霧吹きなどで水を定期的に加える必要があります。

 

餌に関しては細かく粉砕したものを高さのない餌皿に入れて与えています。ゼリーを与えると水分供給も兼ねることができるのですが、力のない個体だとゼリー表面に体がくっ付いて動けなくなり死ぬ個体が出てくるのでピンヘッドには使用していません。

 

この方法で3令幼虫くらいまで飼育しています。4令以降になると高さのあるエサ皿、給水器に問題なくのぼることができるようになるので、はじめに記載している成虫産卵用のケースと同じようなセッティングで飼育しています。

 

これの繰り返しでサイクルが回っています。孵化から2令幼虫になるまでが手間がかかってしまいますが、好きな時に適切な大きさの餌を手に入れることができるようになるので自家繁殖させるメリットは大いにあると思います。

 

以上、コオロギの飼育・繁殖方法についてでした。これらの方法はヨーロッパイエコオロギ(イエコ)・フタホシコオロギなどに対応可能です。最適な温度・方法についてはご自身で探ってみてください。